しがない教員の学校・学級・生活日誌

高いアンテナ・豊かな発想で生活を明るくするためのブログ

「ごまかす」という引き金を引かせるもの

上記記事の子どもに関する、先週から今日にかけての出来事。時系列で追ってみる。

先週の金曜日

生活ノート(学習予定や1日の感想などを書く)が出ない日が続く。

他の宿題もやっているものがあったり、なかったり。
いつものように「あやしい」となる。
そこで、その子の机の中を見てみると、生活ノートが入っている。しかも、1日の感想がちゃんと書いてあり、家庭からのサインもある。
では、なぜ出さなかったのか。それは、宿題を正しくメモしていかなかったことから始まる。自分で適当に設定した宿題(簡単なもの)を書き、親に見せる。親はそれを信じる(実際は疑っていたらしい。これは後から判明)ため、親はサインをする。これで家庭ではセーフ。でも、その生活ノートを学校で提出してしまうと、私にバレる。すると、生活ノートに私から連絡を書かれてしまう。そうなると学校はアウト。
家ではやっているふりをし、学校では一部だけ忘れたことにする。いつかバレるはずなのだが判断力が崩れてしまっているので、それを繰り返していた。

私は、このことを私からの連絡として生活ノートに書いて、自分から親に正直に話すように諭した。

今週の月曜日(昨日)

朝、生活ノートが出ていない。すぐにその子に問いただしてみる。すると、連絡帳を出してきた。その連絡帳には、親から、
「生活ノートを学校に忘れたというので、これ(連絡帳)に書かせました。宿題は、友達に聞いたようです。」
という旨のことが書いてある。

これはおかしいと思う私。だって金曜日、生活ノートをランドセルに入れていたのを見たから。すぐに、
「全部分かっているから、正直に説明するように」
とただす。すると、
一度ランドセルを開けたら、生活ノートが入ってなかったので、それをママに言って連絡帳に書いてもらいました。」
という。一度という時点で怪しさがアップする。もう一度、
「全部分かっているんだけど」
とカマをかけてみると、
「本当は見せませんでした」
との答え。しかも、友達に聞いたというのもウソ。もちろんそれも分かっていた。

そこで連絡帳と生活ノートにこのことを書く。私ももう信じられなくなり、
「また見せないんじゃないのか」
「先生が早く帰ったから生活ノートを返してもらえなかったとかいうんじゃないのか」
などと、言い訳の候補をあげ、逆に言い訳しづらくした。でも、その子は、
「先生が家に電話をするからバレるから、ちゃんと話します」
と答える。そこで、私は賭けにでて、
「じゃあ、先生は今日は電話をしない。先生はウソをつきたくないから、今日は絶対にしない。それでもちゃんと話すのか?」
と聞くと、
「正直に話します」
とのこと。
「もしこれで話さなかったら、本当に信用をなくしてしまうよ」
と声をかけてその日は終わった。

今日

朝、陸上の朝練を終えて職員室の机を見ると、欠席の連絡が書いた紙が置いてある。その子の欠席の連絡だ。頭痛がするとのこと。すかさず電話をする。すると、
「朝から頭が痛いと言っているので休ませます」
との答えが。私が、
「昨日、話を聞きましたか?」
と尋ねると、
「何のことですか?」
と返ってくる。やはり言っていなかったのだ。そこで昨日までの話を説明した。すると、母親は、ショックを受けながら、
「昨日、私も『生活ノートは?』と聞いたんです。『先生から連絡を書いてもらいなさい』と言ったので。でも、息子は『先生が早く帰ったから生活ノートを返してもらえなかった』って言ったんです。じゃあ今日は仮病かもしれませんね・・・」
という話。昨日私が考えたごまかしの案をそのまま母親に伝えているという始末。正直「もう無理かも」と思ってしまった。

2時間目が終わったころ、母親が子どもを連れて学校に来てくれる。一通り母親と話をし、その子を教室まで連れて行く。私は落ち着いてその子に聞いてみた。
「どうしてこういうことになっているの?」
と。すると、
「言おうと思ったのですが言えませんでした」
と話す。私は理由を聞く。
「勇気がなかった」
と。私はまたその理由を聞く。ずっと黙ったままだったが、口を開いた答えは、
「こわかったから」
とのこと。何がこわいのかというと、
「怒られるのが」
ということだった。

もう学校でごまかす手段がなく、仮病をつかったようだ。明日はどうするつもりだったのかは考えついていないようだ。

引き金は

いっときの怒られることをどうしても避けたいらしい。その後バレると分かっていても、バレた時の傷口が大きく大きくなっていっても、とにかくそのいっときを避けたくて仕方がないようだ。
そのために正常な判断ができなくなっている。
また、宿題も課題も「怒られないためにやる」という目的になっている。彼にとっては「怒られさえしなければよい」という感覚でしかないのだ。だからそもそも宿題はやりたくない。そこで何とかしてごまかす。その繰り返しだ。

根本的なところ、もしかするともっと奥深いところに闇があるんだなと感じた。このままでは正直、打つ手はない。保護者も保護者なりになんとかしたいと思っている。ずっとこれを繰り返しているので怒りたくなるのも分かる。

今の時点で、私はどうしたらよいのか分からなくなっている。そういう目で見てしまうから余計に闇が深くなるのも分かる。