しがない教員の学校・学級・生活日誌

高いアンテナ・豊かな発想で生活を明るくするためのブログ

係活動と当番活動

学校には係活動がある。子どもたちそれぞれが何かの係に属し、その係の内容に応じた活動をするのである。この係活動。いろいろなクラスの様子を見ると「これでいいのかな」と、首をかしげてしまうことが多い。
今日は、市の研究委員会の日。つまり出張。そこで、この話題について提言してきた。

そもそも係活動って?

まず「係活動」とはなんなのかについて考える必要がある。学習指導要領解説(特別活動)【イ 学級内の組織づくりや役割の自覚(p50)】にはこんな文言がある。

この内容において、児童が主体的に組織をつくるとは、例えば、係活動において、学級を楽しく豊かにするために必要な係を出し合い、合意形成によって組織をつくっていくことである

それを読むと、係活動は、学級を楽しく豊かにするためにあるものであることが分かる。

また、同じく解説の(6)学級活動の活動形態の(イ)係活動(p70)には、

したがって、当番活動と係活動の違いに留意し、教科に関する仕事や教師の仕事の一部を担うような係にならないようにすることが大切である。(中略)学級生活を共に楽しく豊かにするために創意工夫しながら自主的、実践的に取り組むことができる活動を行うようにする。

とある。つまり、一般的な「仕事」は「係活動」にはならないこと、子どもたちの自主的な活動であるべきということが分かる。なので「体育係」などというものをつくり、体育の時間の始めに準備体操をさせるなどというのはモロにアウトでもっての外だ。準備体操は安全面を考えて、大切な教師の仕事だ。


では「生き物係」はどうなのか考えてみたい。

当番活動とは違う

「生き物係」がどうなのかについて述べる前に「当番活動」について触れていきたい。学習指導要領第6章の第2「内容」(3)のイには、

清掃などの当番活動や係活動等の自己の役割を自覚して協働することの意義を理解し、・・・・・・

と、書かれている。これを読むと「当番活動」と「係活動」は区別されていることが分かる。しかも「清掃等」とある。これは、明らかに「仕事」である。「仕事」なので、やらなければならないことであり、これをやったからといって、学級が楽しくも豊かにもならない。やって当たり前だから。つまり「仕事」は「当番活動」に入ることが分かる。

生き物係は?

それでは「生き物係」についてみていきたい。一般的に「生き物係」とされている係の仕事は何か、考えていきたい。

例えば
○ クラスの草花に水をあげる
○ クラスで飼育する生き物に餌をあげる

などが考えられるのではないか?でも、これは「クラスの草花を枯らさない」「クラスの生き物を死なせない」ための「仕事」の面が強い。となると、この仕事では「当番活動」であるため「生き物当番」であり「生き物」とはいえない。

では本来の意味の「生き物」の活動は、
○ 自分たちで育てたい草花をもってきたり、もってくるように呼びかけたりする
○ 草花や飼育する生き物の名前を決めたり募集したりする
○草花展覧会や生き物と触れ合おう会などを開く

などが考えられる。このような活動ならば「学級生活が楽しく豊かに」つながるのではないか。


「当番活動」と「係活動」が混在していませんか?

1番いいたいことは、この「当番活動」と「係活動」が混在していないだろうかということ。「当番活動」と「係活動」が混在してしまうと、子どもに対する見方や価値付け方が変わってしまうのだ。
例えば当番活動としての「生き物係」(係とするが、本当は当番活動)が仕事をしなければ、生き物が死んでしまう。なので、活動しないと怒られる。でも、当たり前の活動であるため、やっても褒められたものではない。
かたや本当の意味での「生き物係」。こちらは、仕事ではないため、やらなくても困る人はいない。しかし、活動すれば、クラスが楽しく豊かになるため、褒められることになる。

一方はやらなければ叱責され、やっても褒められず、一方はやらなくても許され、やったら褒められる。同じ土俵に立ててはいけないのである。でも、実際に巡視をして、教室に入り、係の掲示を見ると、多くのクラスが当番的な係と本来の係が混在してしまっている。


私のクラスでは本来の係活動をしている。慣れてくると、本当におもしろい活動をしてくれる。「子どもならでは」のユニークな係や活動がたくさん見られる。係活動は価値付け・称賛にもってこいの場だし、子どもたちが大きく成長できる大切な場である。ぜひとも、見つめ直してもらいたいと思う。