今日の図工の時間での出来事。
図工では、自分の感じた「春」を絵に表すという活動をやった。はじめに自由に春をイメージさせ、身近な春や普段目がいかない春に気付くように想像を膨らませた。そして、どんな表し方ができるのか、構図や色合い、筆遣いなどなど、これまでの振り返りを兼ねながら、子どもたちの表現の幅を広げていく。その後は、みんなが合わせる表現の条件(色染めの基本は水彩絵の具を使うこと、鉛筆は使わず縁取りはクレヨンやクーピーで行うこと、混色は3色までにすることなど)を示し、あとは自分の描きたいままにかかせた。
活動で感じた、去年までの子どもと違うところがある。それは、
「何でもかんでも確認してくること」
この時間に聞きにきたことをいくつか紹介したい。
①これでいいですか?
これが一番多かった。こちらとしては「それでいいと思ったからそうしたんだろ!」と言いたくなる。大いにして自信のなさがうかがえる。承認欲求が強い傾向にあるのだろうと感じた。
②水を汲んできていいですか?(◯◯してもいいですか?)
これも多かった。これも「水を汲まなきゃ色染めができないだろ!」と言いたくなる。何をするにも許可を得ないといけないと思っているのだと思う。もしかすると、今まで自由にやることが許されなかったのかもしれない。
③ここに何を描けばいいですか?(何をしたらいいですか?)
思いの外、こういう質問も結構あった。「それを考えて、表現するのが授業だろ!」と思うが、子どもは真剣に聞いてくる。自分の思いや考え、感じたことを表出することが苦手な子どもが多いのだと思う。というより、そういうことをしてこなかったのだと思う。つまり、当たっていても間違っていても、自分で考えることが許される授業ではなく、それこそ正しい答えだけを求められるだけの授業を受けてきたのだろう。だから、急に「考えてやりましょう」となると、戸惑ってしまうのかもしれない。
主体性は考えることを継続しなければ育たないが、逆に、何もしなくても受動性はどんどんと身についてしまう。だからこそ「まずはやってみてもいいんだよ」「自分で思ったことを自由に表現していいんだよ」ということを繰り返し繰り返し子どもたちに伝えていくようにしたい。

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