多方面から「ICT機器をもっと積極的に使うように」という圧力(?)がかかっている。
具体的には「各学校に配当されているタブレット端末をもっと使え」ということ。
確かに、今の時代を考えた時、ICT機器を活用した授業はもっと積極的に行われるべきだと思うし、何よりせっかく配当されているタブレット端末が一部の先生にしか使われず、多くの子どもたちが一度もコンピュータに触れることなく1年が終わってしまうのは、なんとも嘆かわしいことである。とにかくもったいない。
ハードルは何台がある。
まずは、そもそもICTを拒否する人である。とにかくICTは苦手であり、自分でも避けるのだから、授業で活用するはずもない。「CDではなく、配信の音楽についても知らない」し、「エクセルの式は壊してしまう」し、「差し込み印刷など、覚えるくらいならプリンターを占領します」だろうし、その人にとっては情報機器の発展は悪なのだろう。覚える気はない。
そのハードルでつまずいている人は、ぜひ退職を進める(でも、そういう人は辞めないんだよなぁ)。
次は、ICT機器を使うための準備が嫌(めんどくさい)ために活用しないパターンである。
もしかすると、ここが一番もったいないハードルなのかもしれない。ICT機器は使いたいのだけれど、準備がめんどくさいくて手が出ないという先生が多いのだ。
勤務する学校において、教室でタブレット端末を使うためには(ネット環境のもとで使う場合。むしろ、ネット環境のもとで使わないと、今は効果的に活用できないことが多い)、アクセスポイントとなるルーターをもってきて、教室に設置しなければならないし、タブレット端末を運び込まなければならず、終わったらそれらを片付けなければならない。
もう、これだけでも萎えるのに、ネット環境も安定しないため、すぐに止まってしまうこともあるし、とにかく重い時間帯もある。
こうなると、ICT機器なんて使いたくないし、これまで使わずにもできていたのだから、使わない選択をしてしまうだろう。
使うまでの段階で90%くらいの労力を使ってしまうし、やっとこ準備しても残りの9%の環境の問題でつまずいてしまう。
何事もなく安定して使えるのは1%くらいしかない。
この準備とネット環境はハード面、ソフト面、活用スキル面以前の問題だと思う。
ICT機器のよさを感じている人やICT機器を使いたいと思っている人は多いと思う。だから、その人たちがもっと使いやすくなれるような環境を整えてほしいものだ。