朝、出勤するために玄関を開けると、いつも見送ってくれる5才の息子が、
「もう夕方だ」
と一言。
オレンジ色に光る朝焼けを見ての一言だったのだが、こういう感覚、嫌いじゃない。むしろ結構好きだ。
朝焼けを見て、夕焼けと勘違いしての発言なのだろう。息子にとって、オレンジ色の太陽は夕方に見えるものなのだろう。
息子の一言は実際は間違っている。夕方じゃなくて朝なのだから。だから「夕方じゃないでしょ」といってしまうのは簡単だ。でも、息子の感覚は間違っていない。ちゃんと夕方になるとオレンジ色の夕日が差すということを分かっている。夕方に見えるような日が差していることをちゃんと見ており、ちゃんと感じているのだ。
出掛けで忙しかったため、「ホントだねぇ」としか返してあげられなかったけれど、本当は、いろいろと聞いてあげたかったし、問い返してあげたかったなと思う。
学校でも同じようなことがある。息子のような朝と夕方を間違えるようなことはないが、子どもが間違えた時にそれを全否定してしまう先生。でも、もしかしたら、その子なりのステキな感性が働いているかもしれない。それを感じ取るのが我々の役目であり、塾ではできないことなのではないかと思う。
そのためにも我々の感性も磨いておく必要があると思う。